平成28年度厚労科研費研究に伴う
FAQ記載の参照番号は、墓地管理士通信教育テキストの番号に準じております。
- 「Q」(質問)と「A」(回答)は必ず、一対のものとして読み通して下さい。
- 本文中の法令名等については、原則としてフルネームを使用しました。ただし、以下の根拠となる法令などについては、略語を次の通りとしました。
(「略語」=「法令等、名称」)
墓埋法=「墓地、埋葬等に関する法律」
施行規則=「墓地、埋葬等に関する法律の施行規則」
逐条解説=「逐条解説 墓地、埋葬等に関する法律[第2版]
- 「集落墓地」「共同墓地」「共有墓地」などは、いずれも「地元住民や周辺に居住する者らによって、かねてから使用されてきた墓地」という意味で、ほぼ等義に用いております。また、一部「個人墓地」もこれらの墓地と同じ性格のものがあります。
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管理費用の不足による赤字など、現状の厳しさを有り体に説明し、適切な管理料支払いの協力を求めるほか無いと思われます。
一般的に「永代」という言葉は仏教上の用語が敷延されたものであり、法的な定義を受けたものではないとされています。だからといって20年程度の経過をもって失効というような一律な扱いによって、この問題を処理することは出来ません。契約においては「事情変更の法則」があり、①当事者の責めに帰することが出来ない場合、②契約当時にあっては当事者が予想も出来ない場合、③著しい事情の変更が生じた場合に限って、信義・衡平の見地から契約内容の改訂・解除が認められますが、ご質問のケースが、これに該当すると判断するのは極めて難しいことであるように思われます。
昭和40年前後に開園した民営霊園のなかには、開園当時の資金繰りの困難な状況下で、永代管理料として一括前納の方式を実施したケースが見られます。
それらの霊園のその後の状況を、代表的な3霊園について調査したところ、次のようなものでした。
A霊園:
当初数年間実施。期限の定めのない永代管理料なので、契約上、直系親族の承継に限り永代管理としている。
B霊園:
当初数年間実施。計算上、20年間分の管理料分の一括前納であるが、契約上は期限の定めのない永代管理料なので、20年を過ぎた時点で承継者交代の都度、説明していたが、はかばかしくないため、最近対象者全員に窮状を訴えたお願い状を出し、効果を上げている。
C霊園:
開園当初、非公式に、10年、20年、30年、50年として一括前納をお願いしたケースがある。期限が明確になっているため、その時点で解消している。
ご質問のケースは、20年分であることを謳っていますが、永代管理であることを強調したかたちになっていますので、B霊園に倣い、財政的に圧迫となっていることを切々と訴えて納得してもらう努力を続けるしかないのではないかと思います。ご質問では貸し付け済7,500基のうち後期貸し付け分の3,500基については年間管理料として徴収しているとのことで、現状ではこれら後期貸し付けの使用者の管理料によって霊園全体が維持されているということになり、このままでは後期貸し付けの使用者に対する信義上の問題も発生してくることが考えられますので、早急に着手し、根気強く解決していくことが望まれます。