平成28年度厚労科研費研究に伴う

「墓地の経営・管理に関するFAQ」

  FAQ記載の参照番号は、墓地管理士通信教育テキストの番号に準じております。


「墓地の経営・管理に関するFAQ」


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FAQ 9.墓埋法の基本に関する問題


Q1.[高層建造物の屋上における墳墓らしき施設に関する疑問]に関する質問

講義の中で、「ビル等の高層建造物の屋上に、墳墓とおぼしき施設を設けている場合、そのビルは納骨堂とされる」という解説があったが、埋蔵の考え方から捉えるなら、「墓地」として許可をすべきではないのかと考えるが如何か。「埋葬」「収蔵」の考え方、定義についてどのように考えるかご教示いただきたい。(市町村の職員より)

~ Q1 の回答は、下記 Q2 と同回答となります。~


Q2.[地上式カロートに関する疑問]に関する質問

当地方では、地上式カロート(いわゆる「陸カロート」)が多くあるが、このような墓は「埋葬」、「埋蔵」、「収蔵」の何れにあたるか。(宗教法人営墓地の管理者より)


Answer

「埋葬」については墓埋法第2条において明確に定義されていますが、「埋蔵」、「収蔵」については、墓埋法では明確な定義を定めておりません。
しかし、「埋蔵」については、文化財保護法第92、93条において、「土中に埋まっていると想定されるか、ないしはこれを包蔵しているものとして推認される場合」とされており、かなり広義の意味を有しているものと考えられます。また、「収蔵」については、墓埋法第2条の「納骨堂」の定義において、「他人からの委託を受けて、焼骨を収蔵するための施設」とされており、辞書では、「収蔵」とは「取り入れてしまっておくこと」と述べられているので、「取り入れてしまって」おく様態に着目すれば、それが地下か、地上の構築物であるか、何れの場合でも、「(焼骨を)取り入れてしまっておく」ことになりますので、「収蔵」ということになります。つまり、「埋蔵」と「収蔵」との意味の違いは、さほどは認められないと考えてよいでしょう。ただ、ご質問 Q1 のように「ビル等の高層建造物の屋上に墳墓とおぼしき施設を設けている場合」、焼骨をおさめている部分(箇所)が、およそ地下か土中か「推認」することは出来ませんので、「収蔵」ということになります。また、個々の使用者が焼骨をおさめるために設けた、墳墓とおぼしき施設についても、それはあくまでも「ビル等の高層建造物」の存在を前提として成立しているわけですので、「ビル等の高層建造物」は「委託をうけて焼骨を収蔵するための施設」として、墓埋法第10条による「納骨堂」の許可を受けなくてはなりません。事実、類似の施設は、「納骨堂」の許可をとっているものばかりです。
また、ご質問 Q2 の場合、おさめる部分が、地面より上であっても当該墳墓におさめられるものが焼骨であれば、「埋蔵」ということになりますし、おさめられるものが死体であれば「埋葬」となります。

参照:Q9-4、Q9-5


「墓地の経営・管理に関するFAQ」目次

1.墓地の計画、許可などを巡る問題


2.個人墓地に関する問題


3.墓地の管理等に関する問題


4.埋蔵・分骨・改葬などを中心とした問題


5.使用料・管理料の徴収、滞納管理料などに関する問題


6.使用権の承継や失効などに関する問題


7.無縁墳墓(墓所区画)の取り扱いに関する問題


8.埋蔵委託管理型(永代供養墓)に関する問題


9.墓埋法の基本に関する問題


10.墓埋法に係わるその他の問題


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